
1.ごあいさつ
「記帳」とは「経理記帳」のことですが、日記帳だって記帳なのに、何か経理が威張っ ているように聞こえませんか?この記帳の裏には「複式簿記」という優れた技術が透けて 見えます。14~15世紀にベニスの商人による人類3大発明の一つです。
昔の簿記は算数(summa)でお金、特に航海に係る投資の計算・記録に使われました。 だからお金持ちの投資経営のハイテク・ノウハウだったのでしょうね。だから経理記帳が 記帳なのだと威張っているのかな?でも今は記帳ソフトで記帳も楽々。ここではその理屈 を勉強しましょう。
2.仕訳の箱
記帳は経理仕訳の作業です。企業が、後で経営成績や財政状態が分かるように、経理帳 簿の証拠書類(請求書、領収書、預金通帳など)をルールに従って仕訳をします。そのこ とを簿記とか経理記帳とか言います。さあ早速、領収書を仕訳してみましょう。どう仕訳 するの?それは「領収書を次の箱の中に入れることです。箱は4つあるだけです。便宜上 その箱に色を付け、名前を付けます。
仕訳の例示
4つの箱は、左方、右方に並ぶ位置が、下図のとおり決っていると考えて下さい。
複式簿記(経理)のお約束として、金額が左と右で、仕訳ごとに均衡させて下さい。
例えば、Aに+10円、Aに△10円でもOKとします。
さあ、皆さん4つの箱に証拠書類を入れると言っても困ったことが起きました。 証拠書類は一つしかありません。見てみましょう。
例① PCを現金で買いました。
例② 贈答品を買いました。
例③ 料理店が8万円の鮪を買いました。
例④ お金が無くなったので、社長の奥様から、3万円を借り入れました。
例⑤ 社長のポケットマネーで商談のお茶代2千円を払いました。 社長が2千円の領収書を、経理課に持ってきましたが、お金がありませんでし たので、後で払うことにしました。
お茶代2千円の領収書は、経費が増えたと考えてCにいれました。同時に後で 社長に2千円を返す義務がありますので、Dに証拠書類の領収書を入れようと思 うのですが、もうCに入れてしまいましたので、Dに入れる証拠書類がありませ ん。仕方がありませんので、メモ(振替伝票)に記入してDに入れて下さい。
例⑥ 月末になって飲食店の鮪の請求書が来ました。
直ぐ払いました。鮪の代金8万円の未払金(買掛金)が減りましたので、△8万 円の買掛金減を記録するため、請求書に支払済の印を押して、をDに請求書を入 れました。
銀行から振込ましたので、預金に△8万円の記録(財産の減)のためAに証拠 書類を入れたいのですが、もうDに請求書を入れましたので、証拠書類がありま せん。仕方ありませんので、メモ(振替伝票)に記入してAに入れて下さい。
4. 複式簿記の仕組み以上①~⑥の仕訳をしてみましょう。
そうそう、仕訳をすると言っても、いまどきカビが生えた手書きの仕訳帳簿など、考え るのは止めましょう。いやしくもこれからビジネスをしようとする人は、経理ソフトぐら いは買って下さい。ここでは経理ソフトを前提に
例① PC20万円を財産と考えA(左方)の中に領収書を入れました(Aが増えま した)。その代わり、現金(資産)減りましたのでAに「20万円の現金減」と いう仕訳として、左列にあるAが△20万円となりました。
A (左方) +20万円(工具器具備品(増)
A (左方) △20万円(現金(減)
これで、左方は、左右の金額(重さ)が同じなので、バランスしています。 このバランスが大切です。なお「工具器具備品」「現金」などは勘定科目と呼 んでいます。各箱にある勘定科目は、経理ソフトの案内書にも書いてあります。
4つの箱の科目は、親類ですので、番号体系も親類であることが分かるよう になっていて、仕訳欄にカーソルを近づけると、画面の上の方に、Aの親類の 勘定科目が一斉に現れる仕組みになっています。また「工具器具備品」を「機 械装置」と間違えても、大した違いがありませんので、気にしないで良いです。 不都合があれば、後で決算修正時に弊社が直します。
例② 5千円の贈答品を買って、Cの箱に領収書を入れました。
C (左方) +5千円(交際費(増))
A (左方) △5千円(現金(減))
Cの箱も、Aの箱も左方にありますので、Cが+、Aが△だと、金額5千円 が同じ重さなので、均衡(バランス)します。贈答品が何という勘定科目を 使うのか分からない人は、Cの箱の中の勘定科目の羅列リストが、ソフトの案 内書に書いてありますから、その中から素人的に選んで下さい。
分からない場合は、各仕訳に摘要欄といって「備忘メモ」が入るようにな っていますので、摘要欄に「贈答品」と書いておいて下さい。四半期ごとに 試算表のチェック時に、アアクス堂上税理士事務所が修正します。
特に経理仕訳に自信がない場合は、その仕訳に、「付箋」を付ける機能があ りますので、「赤色」の付箋を付けて下さい。それは後で弊社が直ぐ検査して、 フィードバックします。
例③ 料理店が鮪8万円を掛けで買いました。
C (左方) +8万円(仕入(増))(摘要 鮪)
D (右方) +8万円(買掛金(増)(摘要 N社)
勘定科目の「仕入」は、売上に直接つながる商品、料理店なら魚等は仕入 れという言葉を使います。後で売上に対して、幾ら仕入原価が掛かったのか 「原価率」とか「粗利益率」とかの経営分析数値に反映します。経営の道具 として経理を使える訳ですね。
C(左方)とD(右方)が同じ8万円の重みで、左右バランスしますね。「買 掛金」という勘定科目は、日本では仕入の相手勘定として特に未払金を区分 して使っています。一度覚えると、直ぐ覚えます。
例④ 会社の社長夫人から3万円を借りた話
まず、借金3万円が増えたと考えます。 すると、 D(右方)+3万円(短期借入金)(摘要 社長夫人)
もう一つ、現金が3万円増えたと考えるのです。
すると、 A(左方)+3万円(現金)(摘要 社長夫人)
これで、D(右)とA(左)が、同じ3万円の重みで、バランスしますね。ハッピーハッピーという訳です。
例⑤ 社長のポケットマネーで商談のお茶代2千円を出した。その領収書を社長が持ってきた。しかしその時、会社の金庫にお金がなかったという訳です。
C(左方)+2千円(会議費)(摘要 社長借入、商談お茶代)
D(右方)+2千円(短期借入金)(摘要 社長、商談お茶代)
これで、C(左)とD(右)が2千円の重みでバランスします。お茶代は「会議費」という勘定科目を使います。Cの箱にある勘定科目表を見れば、 大体見当が付きますよ。
D(右方)に短期借入金(摘要 社長)を2千円計上して置くと、後で社 長に会社の負債として、ちゃんと社長に返金できます。
例⑥ 料理店が、N社から鮪8万円の請求書が来たので、直ぐに預金から振り 込んで支払ったという訳ですね。
預金が減りました。
A(左方) △8万円(普通預金)(摘要 N社 鮪)
もう一つ、負債が減りました。
D(右方) △8万円(買掛金)(摘要 N社 鮪)
A(左)もD(右)も△8万円と仕訳します。すると左右が△8万円と いう重みでバランスしますね。
5. 終わりに零細小企業の経理は、この程度で結構です。それ以上に難しい仕訳は、弊社で試算表 の検査(四半期ごと)で修正します。仕訳に赤い「付箋」を付けておいてください。
皆さんも、ご自分の領収書を引っ張り出して、上記の色のついた箱4つの処に戻って、仕訳をしてみて下さい。すごく簡単だと感じませんか?仕訳が難しいなんて、くだらない先入観は禁物です。分からない点は、アアクス堂上税理士事務所に聞いて下さい。
弊社は2010年の年末には、大手会計ソフトの代理店として、この簿記教室で、会計ソフト操作のスクールを開設する予定です。準備が整いましたら、このウェブサイトでご紹介します。場所は豊洲の事務所です。宜しくお願い致します。
ここでは、2010年度末にはインターネットの容量・スピードが今の3Gから3.9Gの規 格に進化するのに合わせて、スタッフの自宅と事務所をオンラインで繋ぐ、近未来の経 理職の在宅経理要員の養成を兼ねて、経理・会計仕訳の無料講習会も計画しています。
その環境では会計資料は全てスキャナーで読み込み、情報の授受は全てインターネッ ト上で行います。経理の仕事には資格要件はありません。しかしそのような時代には、 スタッフと事務所の信頼が一番重要になります。誰にでもお願いするという訳にはいき ませんね。
どうしたら良いか是非、ご意見もお待ちしております( e-Mail: dogami@taxes.jp 税理士堂上孝生宛)。
以上